国民参加の事例紹介
近畿圏 国栖の里観光協会(奈良県吉野町)
吉野町を体験して欲しい
そんな新しい変化にも後押しされ、国栖の里観光協会では、吉野町をものづくりの里として売り込もうという活動を行っています。
箸屋の息子がなかなか箸屋になれない現実がある、箸だけ、紙だけでは工夫しても限界があるけれど、ガラスや木工、陶器や建築、いろいろなものづくりに関わる人が集まる里になれば、何か新しい物が生まれるかもしれない。
そのためには、吉野町をものづくりの里として売り込んで、もっといろいろな分野の専門家に知って貰う必要があります。また、箸以外にも「ものづくりの吉野町ブランド」として売り出せる商品を開発する必要もあります。
その第一歩は、吉野町に来て、いろいろなものづくりの現場を体感し、ものづくりに携わっている人の真剣なまなざしを見て貰うのが一番いい、そう考えたのです。

国栖体験フェスタ
そんな思いから、奈良県南部の五條・吉野地域12市町村において開催された「五条・吉野魅惑体験フェスティバル」に一日だけ「吉野くにす・まるごと体験フェア」として体験工房を売りに参加しました。
五条・吉野魅惑体験フェスティバルは単年のイベントでしたが、これがきっかけとなり、年に一度、国栖体験フェスタと称して、いろいろなものづくりの体験が出来るイベントを行うようになりました。今年は、紙漉、マイ箸、陶芸、ガラス工芸、木工、サンドブラストエッチングなどの体験が行われました。
また、夏休み期間には、7/20~31日の12日間に渡って長期間のイベントを行いました。もちろんターゲットは小学生などの子供です。子供がやるなら大人は自然と付いてきますし、各工房にとっても子供に教えて喜んで貰えるのは楽しいものです。イベントには300人の参加者が集まり大盛況でした。
新たな観光産業
秋には、「吉野・黒滝・天川 2泊3日体験観光モニターツアー」という奈良県内の宿泊観光を促す地域の魅力づくりモデル事業がありました。吉野町では、紙漉などのものづくり体験と地元の食材を使った食事がかなり好評で、お客さんからお礼状が届くほどでした。
吉野町の観光というと今までは桜ばかりが有名だったのですが、歴史的に、ものづくりの土壌があり、いろいろな体験工房が点在しているこの環境を活かした体験型観光は、新たな観光の柱になるかもしれません。
そのためには、より多くの工房にこの地に来てもらって、ものづくりの里を充実させていく必要があります。今後は、ものづくりに適した吉野町の環境を積極的にPRするとともに、空き屋の活用などが活動のテーマとなりそうです。
また、体験型観光とするには、お客さんの宿泊施設も必要となるため、民泊や空き屋の転用なども検討しなくてはいけません。
ものづくりの里
現在、観光協会では、空き屋を活用するための空き屋バンク制度、体験イベントやホームページを通して地域外の人々と交流を深める地域作りサポーター制度、東京でのイベントへの参加、などに力を入れて取り組んでいます。
これだけ沢山のことに取り組むのは大変です。しかし、その原動力となっているのは、自分が好きな吉野町をもっとたくさんの人に知って貰いたい、来てくれた人に吉野町を好きになって貰いたい、吉野町をもっと元気にしたい、そんな想いです。
奥谷さんは、事務局をしていると、これだけの活動に熱心に取り組んでくれる工房の皆さんの、吉野町に対する想いと夢をひしひしと感じると言います。
自然豊かな吉野町に泊まり、子供も大人も職人も一緒になって、ものを作る楽しさ、ものの大切さを体験できる「ものづくりの里」、国栖の里観光協会と工房の仲間達の目にはその姿がしっかりと映っていました。


