国民参加の事例紹介
東北圏 NPO水守の郷・七ヶ宿 (宮城県七ヶ宿町)
国土形成計画(全国計画)では、新しい国土像実現のための戦略的目標の一つとして「美しい国土の管理と継承」を掲げています。今回は、こうした「国土の管理」といった観点も踏まえ、流域をキーワードとした新しいコミュニティ創生を目指して、交流拠点の整備や担い手育成などに取り組んでいるNPO水守の郷・七ヶ宿(宮城県七ヶ宿町)の取り組みを紹介します。
七ヶ宿町は宮城県の西南端に位置し、山形県と福島県に境を接する山あいの町です。かつては陸奥と出羽を結ぶ街道(国道113号)の宿場町として賑わい、その街道沿いに7つの宿場があったことからこの名が付けられました。

また、七ヶ宿ダムを有し、仙台市をはじめとした7市10町に日量595,000トンの水を供給する水源地としての顔も持っています。今回は、「NPO水守の郷・七ヶ宿」の理事長 海藤さんと会員 柴田さんにお話を伺ってきました。
コミュニティの息づく地域
七ヶ宿町内に鉄道路線はなく、最寄り駅の東北新幹線白石蔵王駅からミヤコーバスにて約40分の道のりです。運転手さんに行き先を確認してバスに乗り込みます。少し寂しかった車内も東北本線白石駅で10人ほどの乗客が乗り込んでくると一気に賑やかになります。運転手さんも交えて世間話をするため乗客はみんな前の方に座ります。
途中の停留所で人が降りて、賑やかな車内がふたたび静かになった頃に七ヶ宿町に到着です。「そこのピザ屋に行くんだろう?」運転手さんが気さくに声をかけてくれました。
設立間もないNPO法人
この地域では、これまでも七ヶ宿ダム水源地域ビジョン策定の素案づくりに参画する団体として2004年に設立された「水守の郷まちづくりネットワーク」を中心に水源地ツアーや利水地域との交流などの活動が行われていました。
昨年の8月、水守の郷まちづくりネットワークの副代表であった海藤さんが、NPOと同名の石釜ピザのお店「水守の郷」を七ヶ宿町にオープンし移住したことで、NPO設立に向けた動きが本格化します。水守の郷まちづくりネットワークを発展的解消する形で、今年の3月にはNPO「水守の郷・七ヶ宿」が誕生しました。水源地である七ヶ宿に住んでいる人でも、自分たちが普段飲んでいる水がどこからきているのか意識している人は少ない、ましてや仙台に住んでいる方は、考えたこともないかもしれない、水源地に目を留めてもらえるきっかけを作りたい、そういう思いから設立に至ったそうです。

かわいらしい町外水守人が誕生
設立最初の活動は、「みんなで水のふるさとを守ろう!」と題した植樹イベントです。水の循環を感じてもらうために、環境クイズ、植樹、間伐体験、環境紙芝居、ダム湖に沈んだ町の歴史を学ぶ、七ヶ宿ダムの探検と、盛り沢山の内容でした。ガールスカウトなど約120名が参加したイベントの最後には、町外からの参加者に「町外水守人」の認定証が授与されました。「水守の郷」にはそのとき参加したガールスカウトからのお礼の手紙が飾られています。



